第3部
白髪を染める美容から、「髪を老けさせない美容」へ
50代から私の美容師人生をもう一度変えた、ヘナ・ハーブ・シルクとの出会い
自分自身の更年期や湿疹を経験し、
身体のことを知りたくて漢方を学び始めました。
そこで少しずつ、
髪だけを見ていても分からないことがある。
そう思うようになりました。
そして、それは自分自身の身体だけではありませんでした。
毎月のように来てくださるお客様の髪を見ていても、
「どうしてだろう?」
と思うことが増えてきたのです。
私は長い間、
ハーブケアを続けてきました。
ヘアマニキュアとハーブケアを組み合わせ、
できるだけ髪や頭皮に負担をかけない美容をしたいと思っていました。
実際、お客様の髪はとてもきれいでした。
艶もありました。
だから私は、
「これなら大丈夫」
と思っていたのです。
でも。
50代後半。
60代。
70代。
お客様と一緒に年齢を重ねていく中で、
それまでとは違う変化が見えるようになりました。
「ちゃんとケアしているのに、どうして髪は薄くなっていくんだろう?」
長く通ってくださっているお客様だからこそ、
以前の髪を私は知っています。
若い頃はもっと太かった。
トップもふんわりしていた。
前髪もたくさんあった。
つむじも、こんなふうに割れていなかった。
ところが、年齢を重ねるにつれて、
少しずつ髪が細くなる。
根元が立ち上がりにくくなる。
前髪が減ってくる。
つむじが割れてくる。
艶がなくなり、
今までと同じスタイルが作りにくくなる。
特に更年期を過ぎた頃から、
そうした変化を感じる方が増えてきました。
それまでの私だったら、
「年齢だから仕方ないですね」
と言っていたかもしれません。
でも、
自分自身が更年期で身体の変化を経験し、
漢方を学び、
身体と髪のつながりを考えるようになっていた私は、
だんだんそれだけでは納得できなくなっていました。
年齢だけで終わらせていいのかな?
何かできることはないのかな?
私はずっと、そのことが気になっていました。
ヘナは知っていた。でも、正直それほど興味はありませんでした
美容師ですから、もちろんヘナというものは知っていました。
植物で白髪を染めるもの。
自然派の方が使うもの。
そんなイメージです。
でも、ヘナだけで白髪を染めるとオレンジになります。
当時の私は美容師として、
そのオレンジ色を見て、
「私はちょっと嫌かな」
と思っていました。
できるだけ自然なブラウンにしたい。
白髪はきれいに隠したい。
美容師としては、それが当たり前だと思っていました。
だからヘナを、
「白髪染めの選択肢の一つ」
くらいにしか考えていなかったのです。
それが大きく変わるきっかけになったのが、
森田要さんのお話でした。
森田要さんのお話を聞いて、ヘナを見る目が180度変わりました
森田要さんは、35年以上前からヘナを伝えてこられた方です。
講習で私が一番驚いたのは、
染め方や色の作り方ではありませんでした。
ヘナを長く続けている、
たくさんの一般の方のお話でした。
身体や頭皮に何かを感じたことをきっかけに、
それまでのヘアカラーを見直した方。
病気や手術などを経験し、
自分の身体に触れるものを考えるようになった方。
髪を大切にしたいと思い、
長年こっそりヘナを続けていた男性。
さまざまな体験談がありました。
中には健康について語られている体験談もありました。
もちろん、ヘナは医薬品ではありません。
ですから、
「ヘナをすれば病気が治る」
ということではありません。
体験談と医学的な事実は、分けて考える必要があります。
それでも私にとって衝撃だったのは、
こんなにもヘナを愛している人がいる。
ということでした。
なぜ、こんなに続けるんだろう。
なぜ、多少オレンジになってもヘナを選ぶんだろう。
その答えが、
少し分かったような気がしました。
この人たちは、
単に「白髪を染めたい」だけではないんだ。
これからの髪や、自分の身体のことまで考えてヘナを選んでいるんだ。
そう思った瞬間、
私の中でヘナの見え方が180度変わりました。
「オレンジ色も、いいんじゃない?」
それまで私は、
ヘナだけで染めたオレンジ色の白髪を見ると、
「もう少し自然なブラウンのほうが……」
と思っていました。
でも、
その人が何を大切にしてその色を選んだのかを知ると、
不思議なくらい見え方が変わりました。
オレンジ色も、いいんじゃない?
と思ったのです。
むしろ、
白髪を隠すために何度もカラーを重ね、
退色して艶を失ってしまった髪を見るほうが、
私は気になるようになりました。
これは美容師としての私個人の美意識ですが、
年齢を重ねるほど、
私は「色」以上に「艶」が大切だと思っています。
白髪がきれいに染まっていても、
髪が乾燥して、
毛先がパサパサして、
表面が曇って見えると、
顔まわり全体まで疲れて見えてしまうことがあります。
反対に、
多少白髪が見えていても、
根元がふんわりして、
髪に艶があり、
その人らしい髪でいられると、
とても素敵に見える。
だから今の私は、
白髪をぼかすためにたくさんのハイライトを入れることよりも、
髪そのものの艶やフォルムを大切にしたい。
そう考えています。
流行を否定したいわけではありません。
何をきれいと思うかは、人それぞれです。
でも私は、
長年たくさんの髪を触ってきて、
年齢を重ねた女性には、
色だけでは作れない美しさがある
と思うようになりました。
そして、お客様にもヘナを始めました
実際にお客様へヘナをするようになって、
最初に私が驚いたのは、
「色」ではありませんでした。
髪の立ち上がりでした。
これまで長く担当してきたお客様だからこそ、
変化がよく分かりました。
今日は、その中でも特に印象に残っている3人のお客様のお話をしたいと思います。
これはあくまで、私が美容師として実際に見てきたお客様の変化です。
すべての方に同じ変化が起こるという意味ではありません。
でも、この3人のお客様が、
私のヘナに対する考え方を大きく変えてくれました。
60代のお客様
四角く広がっていた髪が、丸いフォルムに
一人目は、60歳頃のお客様。
長年、
ヘアマニキュアとハーブケアを交互に続けてくださっていました。
白髪率は約80%。
白髪部分にはクセがあり、
ふわふわと広がりやすく、
艶も出にくくなっていました。
さらに年齢とともに、
トップの髪が少しずつ細くなり、
根元が立ち上がりにくくなっていました。
トップはぺたん。
毛先だけが横へ広がる。
そのため、
全体のシルエットが四角く見えるようになっていたのです。
前髪も少なくなり、
以前より幅広く髪を取らなければ、
ボリュームが作れなくなっていました。
私自身も、
ずっと気になっていました。
そしてヘナへ。
最初に私が驚いたのは、
やはり、
根元の立ち上がりでした。
「あれ?」
と思いました。
トップに高さが出ています。
それだけで、
今まで四角く見えていたフォルムが、
丸く見えるようになったのです。
髪型というのは不思議です。
髪が一本増えたわけではなくても、
根元が立ち上がるだけで、
こんなにも印象が変わります。
そして回数を重ねるにつれて、
艶が出ている範囲が少しずつ広がっていきました。
ふわふわしていたクセも、
以前より落ち着いて見えるようになりました。
私の「手」でも違いを感じました
そして、この方の施術で、
もう一つ印象に残ったことがあります。
それは、
私自身の手です。
ヘアマニキュアをシャンプーして流した後、
私の手はよくカサカサしていました。
美容師にとって、
薬剤を流したり、
シャンプーしたりするのは日常です。
だから、
ある意味それも当たり前になっていました。
でもヘナを流した後、
「あれ?」
と思いました。
いつものようなカサカサ感を、
私は感じませんでした。
もちろん、これは私自身の体感です。
でも、
毎日何人もの髪を素手で触ってきた美容師だからこそ、
その違いはとても印象に残りました。
お客様の髪だけではなく、触れている私の手でも違う。
ここから、
私のヘナへの興味はさらに強くなっていきました。
50代のお客様
硬くて広がる髪が、少しずつ柔らかく
二人目は50代のお客様です。
この方も長くハーブケアを続けてくださっていました。
以前はジアミンを含むヘナカラーとハーブケア。
その後は、
毎回ヘアマニキュアとハーブケアをセットで、
約5年間続けていました。
髪は多く、
もともとかなりしっかりした剛毛。
硬く、
広がりやすく、
白髪も多い髪質です。
この方の場合、
ヘナを一回しただけでは、
正直、
それほど大きな違いは分かりませんでした。
でも、
2回、3回と続けていくうちに、
「あれ?」
と思うようになりました。
髪が少しずつ柔らかくなってきた。
以前のような、
硬く大きく広がる感じが、
少しずつ落ち着いてきました。
この方は、
ヘナにハイビスカスのハーブ粉を混ぜる施術を特に気に入ってくださっています。
私自身も長くハーブを使ってきましたから、
ヘナとハーブを組み合わせていくことは、
とても自然な流れでした。
一本の髪の中に、「過去」と「今」が見える
そして、この方の髪には、
今とても分かりやすい違いがあります。
毛先には、
以前のヘアマニキュア時代の髪が残っています。
その部分には、
乾燥やパサつきがあります。
でも、
その上の、
根元から新しく伸びてきている部分。
ヘナとハーブを続けている時期に伸びてきた部分は、
とても艶やかに見えるのです。
一人の人の一本の髪の中に、
以前の髪と、今の髪が一緒に存在している。
私は美容師として、
これがとても興味深いと思っています。
私は昔から、
髪はその人が過ごしてきた時間を映すものだと感じています。
体調。
年齢。
生活。
ストレス。
ホルモンバランス。
いろいろなものが変われば、
髪の状態も変わります。
だからこそ、
今目の前に見えている毛先だけではなく、
これから根元から生えてくる髪をどう大切にするのか。
そこを見ることが、
年齢を重ねてからの美容には、
とても大切なのではないかと思うようになりました。
70代のお客様
「前髪がちゃんと残っている」
三人目は70代のお客様です。
この方も、
長くヘアマニキュアとハーブケアを続けてくださっていました。
年齢とともに髪が細くなり、
特に前髪が頼りなくなっていました。
カーラーで前髪を巻いても、
外へ出て風が吹いたら、
「前髪、どこへ行ったの?」
というくらい、
すぐに崩れてしまう。
そして、
つむじもぱっかり割れて、
そこに白髪が丸く見えていました。
美容師としては、
これもとても気になります。
つむじが割れると、
実際の髪の量以上に、
薄く見えてしまうからです。
この方がヘナに変えて、
まず私が気づいたのは、
カーラーの持ちでした。
前髪が、
ちゃんと残っている。
全体のカールも、
以前より保たれている。
「あれ?」
ここでもまた、
私は驚きました。
そして回数を重ねていくうちに、
ぱっかり割れていたつむじが、
以前ほど目立たなくなってきました。
艶も出てきました。
「マニキュアは色を染める。でも、ヘナはそれだけじゃない」
この70代のお客様を見ていて、
私の中にある言葉が浮かびました。
マニキュアは、色を染めるもの。
もちろん、それが悪いという意味ではありません。
私自身、
長い間ヘアマニキュアを使ってきました。
髪を明るくせず白髪をカバーできる。
アルカリカラーに比べて選びやすい場面もあります。
でも、
お客様の髪にヘナを続けながら、
私の中では、
「白髪を染める」という目的だけでは説明できない感覚が、
どんどん大きくなっていきました。
ヘナをカラーだけとして捉えるのは、もったいない。
そう思うようになりました。
私には、
髪をこれから大切にしていくために使う植物、
という感覚のほうが近くなっていったのです。
3人とも、変わったところが違いました
ここで面白いのは、
3人のお客様の髪の変化が、
まったく同じではないということです。
60代のお客様は、
細くなり始めたトップの立ち上がり。
50代のお客様は、
多く硬く広がる髪の柔らかさやまとまり、艶。
70代のお客様は、
細く頼りなくなった髪のスタイルの持ちやつむじの見え方。
「ヘナをすれば、みんな同じ髪になる」
わけではありません。
もともとの髪質も違います。
年齢も違います。
身体の状態も違います。
それぞれの髪に現れるものも違います。
ここで、
私が漢方を学んで感じていたことと、
美容師として見ている髪が、
少しつながったような気がしました。
漢方では、
同じ症状でも、
その人によって見方が違います。
髪だって、
同じなのかもしれない。
同じ白髪でも、同じ細毛でも、その背景は一人ひとり違う。
だから私は、
「この人は今、どんな髪なんだろう?」
と、
以前より深く見るようになりました。
ハーブを15年続けてきた私だから、ヘナとハーブは自然につながりました
私はヘナに出会うずっと前から、
ハーブケアを続けてきました。
だから、
ヘナを始めた時、
私の中ではすぐに、
「ヘナとハーブは一緒に使えないのかな?」
という発想になりました。
植物と植物。
きっと相性があるはず。
そう思いました。
ヘナをハーブの抽出液で溶いたり、
ハーブの粉末を組み合わせたり。
色への影響も見ながら、
少しずつ試してきました。
そして今は、
ハーバリストとして学んだ知識も加えながら、
髪や頭皮の状態、
ヘナとの相性、
香り、
使った時の感触などを見ながら、
自分でブレンドを考えるようになっています。
昔は、
誰かが作ったハーブブレンドを使っていました。
でも今は、
なぜこのハーブを入れるのか。
自分なりに考えながら選べるようになりました。
これは15年間ハーブを使い続けてきた私にとって、
とても嬉しい変化です。
ヘナだけでもない。ハーブだけでもない。
そして、
もう一つ大きな出会いがありました。
シルクです。
長年使っていたメーカーとの取引を見直すことになり、
新しいシャンプーを探し始めました。
いろいろ試しました。
美容師ですから、
シャンプーは毎日触ります。
お客様にも使います。
髪がどう仕上がるのか。
翌朝どうなるのか。
ヘナとの相性はどうなのか。
かなり気になります。
そんな中で出会ったのが、
シルクを使ったシャンプーでした。
使った時、
私は、
「あ、違う」
と思いました。
洗った直後だけではありません。
翌朝のまとまり。
手触り。
髪の落ち着き。
そしてヘナをした髪との相性。
私が長年探していたものに、
とても近い感覚でした。
サロンで頑張っても、毎日のシャンプーで戻ってしまう
美容師として長く仕事をしていると、
本当に感じます。
お客様が美容室に来られるのは、
多くても月に一度くらい。
でも、
自宅で髪を洗うのは、
ほぼ毎日です。
月に一度、
どれだけ丁寧にケアしても、
残りの29日のホームケアが合っていなければ、
髪は変わってしまいます。
これはヘナをするようになって、
以前より強く感じるようになりました。
だから今の私は、
サロンで何をするかと同じくらい、
毎日何で洗うか
を大切にしています。
ここで、
私の中の三つがようやくつながりました。
ヘナ・ハーブ・シルク
ヘナ。
ハーブ。
シルク。
この三つは、
私の中ではそれぞれ役割が少し違います。
ヘナは、
白髪を染めるだけではなく、
これからの髪そのものを大切にするためのもの。
ハーブは、
植物それぞれの個性を使いながら、
髪と頭皮に寄り添うもの。
そしてシルクは、
毎日の洗うケアを支えて、
サロンで整えた髪を自宅でも大切にしていくもの。
どれか一つだけではありません。
サロンで整えること。
植物を使うこと。
毎日のホームケアを変えること。
それがつながって、
今の私が考える美容になりました。
気づけば、私はずっと「足す美容」から離れてきました
振り返ってみると、
20代の私は、
もっと色を変えたい。
もっとおしゃれにしたい。
もっと何かを足したい。
そんな美容をしていました。
カラー。
ブリーチ。
パーマ。
化粧。
アクセサリー。
もちろん、それらを楽しむこと自体が悪いわけではありません。
私も美容師です。
おしゃれは大好きです。
でも自分の肌が荒れ、
髪が傷み、
身体が変化し、
お客様の髪が年齢とともに変わっていくのを見て、
私は少しずつ、
美容に対する考え方が変わっていきました。
何を足すかより、何を残すか。
どう隠すかより、どう育てていくか。
今は、
そちらのほうに興味があります。
パーマもカラーもやめていきました
ハーブケアを始めてから、
サロンの仕事も少しずつ変えていきました。
いきなり全部やめたわけではありません。
まず新しく来られるお客様には、
少しずつ薬剤を使うメニューを減らしていきました。
長く通ってくださっているお客様には、
すぐに、
「今日からやめます」
とは言えません。
これまで何年も、
そのスタイルを楽しんでこられた方もいます。
パーマが好きな方もいます。
カラーが好きな方もいます。
だから、
時間をかけました。
5年。
さらに5年。
少しずつ、
お客様と相談しながら、
私自身の美容師としての方向も変えていきました。
「パーマをしない美容室なんて」
と思われたこともあります。
でも、
私の中では少しずつ答えが決まっていました。
私は、髪を傷ませながら形を作る美容より、今ある髪を大切にする美容をしたい。
カットで形を作る。
頭皮を整える。
髪を育てる時間を大切にする。
それが、
私が残りの美容師人生でやりたい仕事だと思いました。
52歳頃、サロンの名前も変えました
サロンを始めて20年という節目。
50代に入り、
自分自身の身体も大きく変化していた頃です。
私は移転し、
屋号も変えました。
そして、
今の
「ツヤカミ神戸」
になりました。
なぜ「艶髪」なのか。
今なら、
自分でもよく分かります。
私は、
ただ白髪が染まっている髪より、
艶のある髪が好きなのです。
髪が艶やかだと、
その人自身まで生き生きして見える。
逆に、
どんなにきれいな色でも、
髪が乾燥して、
パサついて、
表面が曇っていると、
私はとてももったいなく感じます。
だから、
白髪より艶髪。
これは今の私の美容の根っこになっています。
白髪は「敵」なのでしょうか?
昔の私は、
白髪は隠すものだと思っていました。
美容室でも、
「白髪をどうきれいに染めるか」
ということを考えていました。
でも、
今は少し違います。
白髪は、
年齢を重ねた証でもあります。
全部を敵にして、
毎月必死に隠さなくてもいいのではないか。
白髪があっても、
髪が艶やかで、
根元が立って、
その人らしいスタイルなら、
私はとても素敵だと思います。
もちろん、
染めたい方は染めればいい。
オレンジが好きならオレンジでもいい。
インディゴを使って落ち着かせてもいい。
白髪を残してもいい。
大切なのは、
「白髪があるから老けて見える」
と決めつけないことだと思っています。
私が怖いのは、
白髪そのものより、
髪がどんどん細くなり、
艶を失い、
頭皮が透けて、
「昔の髪と全然違う」
と自信をなくしてしまうことです。
私が今一番伝えたいのは、「髪を老けさせない」ということ
薄くなってから、
慌てて何かを始める。
髪が細くなってから、
何か良いものを探す。
それも一つです。
でも、
できれば私は、
その前から考えてほしい。
50歳なら、
60歳の髪を。
60歳なら、
70歳の髪を。
今ある髪が、
10年後もできるだけ元気でいてくれるように。
髪の毛は、
今日ケアしたから、
明日突然全部変わるものではありません。
だからこそ、
毎日の積み重ねが大切です。
頭皮をどう扱うか。
何で洗うか。
何で染めるか。
身体をどう整えるか。
ストレスとどう付き合うか。
一つ一つは小さなことでも、
年月が経つと、
その差が髪に現れてくることがあります。
髪だけを見ない美容師になりました
若い頃の私は、
美容師として、
髪型を作ることばかり考えていました。
どう切るか。
どう染めるか。
どう巻くか。
もちろん今も、
カットはとても大切です。
美容師ですから、
髪型がきれいでなければ意味がありません。
でも今は、
その髪が、
どんな頭皮から生えているのか。
その人の身体は、
今どんな状態なのか。
どうして去年とは違う髪になっているのか。
そこまで考えるようになりました。
漢方を学び、
ハーブを学び、
自分自身の身体と向き合い、
お客様の髪を見続けてきたことで、
美容師として見る範囲が、
ずいぶん広くなったと思います。
そして今、
波動療法についても学び続けています。
まだまだ分からないことばかりです。
だから、
私は「これが正解です」と言いたいわけではありません。
ただ、
髪だけを切り離して考えない。
これは、
これからも大切にしていきたいと思っています。
「頭皮は畑」だと、私はよくお話しします
私はお客様に、
よく、
「頭皮は畑みたいなものです」
とお話しします。
どんなに良い種があっても、
畑の状態が良くなければ、
元気に育ちにくい。
髪も同じように、
今生えている毛先だけを見ているのではなく、
これから髪が生えてくる場所、
頭皮を大切にしたい。
そして、
畑だけでなく、
そこへ栄養を運ぶ身体そのものも大切にしたい。
昔の私は、
毛先にトリートメントをつけて、
オイルをつけて、
傷んだら何かを足して、
どうにかしようとしていました。
今はむしろ、
「これから生えてくる髪をどうするか」
を考えています。
私自身が、遠回りをしたから分かること
20歳で、
化粧品が使えなくなりました。
ピアスもできなくなりました。
カラー剤でも頭皮が荒れました。
それでも美容師として、
毎日のように薬剤を触っていました。
40歳頃には、
今までなら戻っていた髪のダメージが、
戻らなくなりました。
ハーブに出会いました。
その後、
顔に湿疹が出ました。
50歳頃には、
更年期や手術など、
身体の変化がいくつも重なりました。
食生活も見直しました。
漢方を学びました。
ハーブを学びました。
そしてヘナに出会い、
シルクに出会いました。
振り返ると、
ずいぶん遠回りをしています。
でも、
この遠回りがあったからこそ、
今のお客様の気持ちも、
少し分かるような気がします。
もうすぐ60歳。ようやく美容が楽しくなりました
若い頃、
本当なら一番おしゃれを楽しみたかった時に、
私はメイクも、
アクセサリーも、
思うように楽しめませんでした。
髪も、
肌も、
身体も、
悩むことがたくさんありました。
でも50代後半になって、
イヤリングができるようになり、
軽くメイクも楽しめるようになり、
髪にも艶が戻り、
ようやく、
「美容って楽しいな」
と思えるようになりました。
20代の頃とは違う楽しさです。
若く見せたいからではありません。
若い頃に戻りたいわけでもありません。
今の年齢の自分を、
できるだけ気持ちよく、
きれいにしていたい。
今は、そんな美容が好きです。
私がこれからやりたい美容
これからツヤカミ神戸で私がやりたいのは、
ただ白髪を染めることではありません。
ただ髪を切ることでもありません。
10年後の髪を、一緒に考えること。
そのために、
カットがあります。
ヘナがあります。
ハーブがあります。
シルクがあります。
頭皮ケアがあります。
そして、
漢方や身体について学んできたことがあります。
すべてを一度にする必要はありません。
その人に必要なことを、
その人のペースで。
私は、
そんな美容室でありたいと思っています。
白髪を染めるだけの美容から、髪を育てる美容へ
若い頃の私は、
美容とは、
「きれいに見せること」
だと思っていました。
今は、
少し違います。
きれいでいられる土台を、大切にすること。
それも美容だと思っています。
白髪を隠すことより、
艶を失わないこと。
髪を盛ることより、
根元から元気に見えること。
傷んでから何かを塗ることより、
できるだけ傷ませないこと。
そして、
髪だけではなく、
頭皮も、
肌も、
身体も、
全部つながっているものとして考えること。
私は長い美容師人生の中で、
ようやくここへたどり着きました。
髪は、今日まで生きてきた自分の一部だから
髪には、
その人の時間が表れるように私は感じています。
20代の髪。
40代の髪。
50代の髪。
60代の髪。
同じ人でも、
ずっと同じではありません。
だから、
年齢に逆らうのではなく、
今の自分の髪を知って、大切にする。
私はそれでいいと思っています。
白髪があってもいい。
クセがあってもいい。
若い頃と同じ髪でなくてもいい。
でも、
できるなら、
艶があって、
触れた時に気持ちよくて、
鏡を見た時に、
「今日の髪、いいな」
と思える髪でいてほしい。
それが、
今の私が考える
「髪を老けさせない美容」
です。
最後に
20歳の私に、
今の私が会えるなら、
言ってあげたいことがあります。
肌が弱いことも。
髪が傷むことも。
思うようにおしゃれができないことも。
その時は、
全部嫌だったと思います。
でも、
その経験があったから、
私は美容師として、
「髪をきれいに見せる」だけではない美容を探すことになりました。
そして今、
同じように年齢とともに髪の変化を感じている女性たちと、
その経験を共有することができます。
遠回りだったけれど、
無駄ではなかったと思っています。
これからも私は、
植物のこと。
髪のこと。
頭皮のこと。
身体のこと。
まだまだ学び続けます。
そして、
一人ひとりのお客様と一緒に、
今より少し先の髪を考えていける美容師でいたい。
そう思っています。
ツヤカミ神戸が大切にしていること
白髪を染めるだけではなく、髪を老けさせない。
ヘナ・ハーブ・シルク。
そして長年培ってきた美容師としてのカット技術。
髪だけではなく、
その髪が生えてくる頭皮まで大切にしながら、
年齢を重ねても、
自分の髪を好きでいられるお手伝いをしていきます。
10年後も、艶のある髪で。
それが、
今の私の美容師としての願いです。
※記事内には、内容を分かりやすくお伝えするためのイメージ画像を一部使用しています。
ツヤカミ神戸
住所:兵庫県神戸市中央区加納町4丁目4−11
吉住ビル 201
NEW
-
15.Sep.2026
-
第5章第5章 「良くなる人、変わりにくい人。その違いを知りたくて...12.Sep.2026
-
第4章|お客様の髪が教...第4章|お客様の髪が教えてくれた、ハーブケアとの出会い 私...10.Sep.2026
-
第3章|40歳、自分の髪...第3章|40歳、自分の髪の変化に悩んだこと 40歳を過ぎた頃か...07.Sep.2026
-
## 第2章|美容師とし...## 第2章|美容師として歩きはじめた日々 20歳頃から、化粧...04.Sep.2026
-
第1章|20歳、化粧もア...第1章|20歳、化粧もアクセサリーもできなくなった 私が今、...01.Sep.2026
-
第3部 白髪を染める美...第3部白髪を染める美容から、「髪を老けさせない美容」へ50代...17.Aug.2026
-
第2部 健康に気をつけ...第1部では、20歳の頃に初めて買った化粧品で顔が大きく腫れた...17.Aug.2026