美容師が漢方理論で考える 10年後も艶のある髪を育てるために ~頭皮・体・毎日の養生から考える育てる美容~ 《後編》

query_builder 2026/06/28
美容師が漢方理論で考える  10年後も艶のある髪を育てるために  ~頭皮・体・毎日の養生から考える育てる美容~  《後編》

⑤ なぜ私は「頭皮」を一番大切にしているのか

~未来の髪は、今日の頭皮から育ちます~

美容師になって38年。

これまで本当にたくさんのお客様の髪を見てきました。

白髪が気になる方。

髪が細くなってきた方。

ボリュームが減ってきた方。

髪にツヤがなくなってきた方。

そのたびに思うことがあります。

髪は、その人の印象そのもの。

同じ年齢でも、髪にツヤがあり、ハリやコシがある方は若々しく見えます。

反対に、髪が細く、元気がなくなると、それだけで疲れた印象になってしまうことがあります。

髪は、その人らしさを表現する大切な存在です。

だから私は、髪を一時的にきれいに見せることよりも、「元気な髪が育つ環境」を大切にしたいと思っています。


頭皮は、髪を育てる「畑」です

前編では、毛乳頭や毛母細胞、毛細血管の働きをお話ししました。

髪は、頭皮の中にある毛乳頭が毛細血管から栄養を受け取り、その栄養を毛母細胞へ届けることで育っています。

私は、お客様によく

「頭皮は畑なんですよ。」

とお話ししています。

畑が痩せてしまえば、どんなに良い種を植えても元気な植物は育ちません。

反対に、栄養があり、水分を保ち、やわらかい土では植物は元気に育ちます。

頭皮もまったく同じです。

頭皮という畑の中には毛乳頭があります。

毛乳頭は毛細血管から酸素や栄養を受け取り、それを毛母細胞へ届けています。

つまり、

頭皮は土。

毛乳頭は根。

毛細血管は水路。

血液は栄養を運ぶ水。

そして、

髪は、その畑で育つ植物です。

だから私は、髪だけをケアするのではなく、まず頭皮という畑を元気にすることが、美しい髪への近道だと考えています。


シャンプーで髪が変わるのではなく、頭皮が変わる

私は昔から、お客様へお伝えしていることがあります。

「シャンプーで髪が変わるのではなく、頭皮が変わる。」

シャンプーは髪を洗うものだと思われがちですが、本当に毎日触れているのは頭皮です。

だからこそ、毎日使うものはとても大切です。

美容師として38年間、多くのお客様の頭皮を見てきました。

その中で感じていることがあります。

毎日、洗浄力の強いシャンプーを使っている方。

人工香料の強い製品を使い続けている方。

ホームカラーを頻繁に繰り返している方。

こうした方の中には、頭皮が乾燥しやすかったり、敏感になっていたり、硬くなっていたりするケースを多く見てきました。

もちろん、すべての方が同じではありません。

しかし私は、毎日使うものだからこそ、頭皮への負担はできるだけ少ない方がよいと考えています。

髪は毎日伸びるものです。

だから、毎日触れるものの積み重ねも、未来の髪へ影響していくと感じています。


頭皮は顔とつながる、一枚の皮膚

頭皮は髪だけのために存在しているわけではありません。

実は、頭皮と顔は一枚の皮膚でつながっています。

頭皮が乾燥したり、硬くなったりすると、その影響は顔にも現れやすくなります。

逆に、頭皮の血流が良くなり、やわらかく健康な状態を保てると、髪だけでなく顔全体の印象も明るく見えることがあります。

私は美容室でシャンプーやヘッドケアをしていると、お客様が眠ってしまうことがよくあります。

それは、頭皮がほぐれ、血流が促され、リラックスしているからなのかもしれません。

美容室は髪を切る場所でもありますが、私はそれだけではなく、頭皮や心を休ませる場所でもありたいと思っています。


美容師として私が伝えたいこと

私は、お客様に「きれいになって帰っていただく」ことも大切ですが、それ以上に「10年後も元気な髪でいてほしい」と願っています。

髪は、ある日突然変わるものではありません。

今日のシャンプー。

今日の頭皮環境。

今日の生活習慣。

その積み重ねが、5年後、10年後の髪をつくります。

だから私は、髪だけではなく、頭皮を大切にしてほしい。

未来の自分の髪のために、今日から頭皮という畑を育ててほしい。

それが、美容師として38年間、お客様と向き合ってきた私の想いです。

次の章では、「元気な髪は、元気な体が育てている」という視点から、食事や睡眠、ストレス、血液の巡りなど、体全体と髪の関係についてお話しします。



⑥ 元気な髪は、元気な体が育てている

~髪は、体からのメッセージです~

私は美容師になって38年になります。

これまで本当にたくさんのお客様の髪を見てきました。

その中で感じていることがあります。

それは、

元気な人ほど、髪も元気。

ということです。

もちろん遺伝や年齢による変化はあります。

しかし、それ以上に私は、その人の体の状態や毎日の生活が髪に現れると感じています。

髪は、その人の体からのメッセージなのです。


髪は最後に栄養が届く場所

前編でもお話ししましたが、毛乳頭は毛細血管から栄養や酸素を受け取り、毛母細胞へ届けています。

しかし、その栄養は最初から髪へ運ばれるわけではありません。

私たちが食べたものは胃や腸で消化・吸収され、血液によって全身へ運ばれます。

その中でも優先されるのは、

・脳

・心臓

・内臓

・筋肉

など、命を維持するために重要な器官です。

髪は命を守る器官ではありません。

そのため、体に余裕がなくなると、髪へ送られる栄養は後回しになります。

さらに男性は、もともと筋肉量が多く、活動や生殖にエネルギーを優先しやすい体の仕組みを持っています。

本能的にも「動く・守る・戦う」という役割が強いため、限られたエネルギーはまず筋肉や重要な臓器へ送られます。

その結果、髪へ回る栄養やエネルギーは女性よりも後回しになりやすく、毛周期の成長期も短くなりやすいため、薄毛が進みやすいと考えられています。

だから私は、

髪だけをケアしていても限界がある

と考えています。

髪を育てるためには、まず体全体を元気にすることが大切なのです。


漢方では「気」が血を巡らせる

漢方では、

「気は血を巡らせる」

という考え方があります。

血は、自分だけでは流れることができません。

気というエネルギーがあることで、血液は全身を巡り、毛乳頭へも栄養を届けています。

つまり、

気が不足すると、

血流も低下し、

毛乳頭へ届く栄養も少なくなってしまいます。

これは、西洋医学でいうエネルギー代謝とも重なる考え方です。

細胞が働くためには、

酸素。

栄養。

そしてエネルギー。

この三つが欠かせません。

だから、疲れが抜けない。

寝ても回復しない。

いつも元気が出ない。

そんな状態では、髪を育てる力も十分に発揮できなくなってしまいます。


ストレスは髪を後回しにします

忙しい毎日が続くと、交感神経が優位になります。

すると体は、

「今は戦う時間」

と判断します。

その結果、

脳。

心臓。

筋肉。

へ優先的にエネルギーが送られます。

髪は生命維持を優先する器官ではないため、栄養やエネルギーは後回しになります。

さらに、ストレスによって分泌されるコルチゾール(ストレスホルモン)は、毛周期を乱し、抜け毛を増やす要因の一つとも考えられています。

私はお客様へ、

「疲れていませんか?」

「最近よく眠れていますか?」

とお聞きすることがあります。

それは、髪だけを見ているのではなく、体全体を見ているからです。



私がお客様を見ていて感じること

これは医学的なデータではありません。

38年間、美容師としてお客様と向き合ってきた私自身の実感です。

髪が元気な方には、ある共通点があります。

よく食べる。

よく眠る。

よく笑う。

よく体を動かす。

そして、あまり細かいことを気にしすぎず、毎日を前向きに過ごしている方です。

私は、こうした方は**「気」が充実している**ように感じています。

漢方では、「気」は生命活動を支える大切な働きであり、血を全身へ巡らせる力があると考えられています。

そのため、気が充実していると血液も巡りやすくなり、毛乳頭へ酸素や栄養が届きやすくなります。

その結果、ハリやコシ、ツヤのある元気な髪が育ちやすいのだと思います。

反対に、

頑張りすぎる方。

人の分まで仕事を抱えてしまう方。

休むことが苦手な方。

神経を使い続けている方。

こうした方は、気を消耗しやすく、血液の巡りも低下しやすくなります。

すると毛乳頭へ届く栄養も不足しやすくなり、疲れやすさだけでなく、髪にもその変化が現れやすいように感じます。

漢方では、「気」は毎日の食事から栄養を取り込み、胃腸の働きによって作られると考えられています。

さらに、十分な睡眠や適度な運動、心を穏やかに保つことも、「気」を養う大切な要素です。

反対に、強いストレスや無理のしすぎは、「気」の巡りを妨げ、体全体のバランスを崩す原因になります。

髪は、その人の毎日の積み重ねを映し出す鏡です。

だから私は、髪だけを見るのではなく、その方の体や生活全体を大切に考えたいと思っています。


更年期は髪からのサインが出やすい時期

50代前後になると、女性ホルモンの変化だけでなく、血液の巡りや代謝も少しずつ変わってきます。

すると、

・白髪が増える。

・髪が細くなる。

・トップのボリュームが減る。

・ツヤが失われる。

そんな変化を感じる方が増えてきます。

私は、それは年齢だけのせいではないと思っています。

体をいたわる生活へ変えていくタイミングを、髪が教えてくれているのかもしれません。

髪の変化を感じると、「年齢だから仕方がない」とあきらめてしまったり、すぐに何か特別な方法を探したくなったりする方もいらっしゃいます。

でも私は、その前に一度、毎日の生活を振り返ってみていただきたいと思っています。

毎月繰り返しているヘアカラーは頭皮に負担をかけていないでしょうか。

睡眠はしっかり取れていますか。

食事は髪を育てる栄養を意識できていますか。

ストレスを抱え込みすぎていませんか。

こうした毎日の積み重ねを見直すことも、髪や体をいたわる大切な一歩です。

そして、髪や頭皮の変化は一人で悩まず、美容師に相談してみるのもおすすめです。

私は、お客様の髪だけでなく、頭皮や生活習慣も含めて一緒に考えながら、その方に合った方法をご提案したいと思っています。

髪は、体からのメッセージです。

だからこそ、できるだけ体への負担が少ない方法を選びながら、無理なく続けられる習慣を少しずつ増やしていくことが、10年後の髪につながると私は考えています。


美容師として伝えたいこと

私は美容室で髪を整えることはできます。

でも、

元気な髪を育てているのは、

毎日の生活です。

毎日の食事。

毎日の睡眠。

毎日の体の動かし方。

毎日のストレスとの付き合い方。

その積み重ねが、5年後、10年後の髪を育てています。

だから私は、

「髪をきれいにする」だけではなく、

元気な体を育てることが、元気な髪につながる。

そう考えています。

次の章では、私自身が日頃から大切にしている「髪を育てる養生」をご紹介します。


⑦ 今日から始める、10年後の髪を育てる養生

~髪は毎日の積み重ねで育ちます~

ここまで読んでくださった方なら、もうお分かりだと思います。

髪は、シャンプーだけでも、トリートメントだけでも育ちません。

毛乳頭へ栄養が届き、

毛母細胞が元気に働き、

体全体のエネルギーが十分にあることで、

少しずつ育っていきます。

だから私は、

「髪を育てる養生」

をとても大切にしています。


良質なたんぱく質を毎日食べる

髪はケラチンというたんぱく質でできています。

私は、お肉や卵、チーズなどを毎日の食事に取り入れています。

髪だけでなく、

筋肉。

皮膚。

血液。

ホルモン。

体はすべてたんぱく質から作られています。


エネルギーになる糖質も大切

近年は糖質制限もよく耳にします。

しかし私は、

エネルギーを作るためには糖質も必要だと考えています。

白米。

はちみつ。

黒糖。

体が利用しやすい糖質を適度に摂ることも、髪を育てる力につながります。


自然塩やミネラルを意識する

体液のバランスを保つためにも、私は自然塩を大切にしています。

また、

野菜。

根菜。

果物。

煮込んだスープ。

ボーンブロス。

自然な食材からミネラルや栄養をいただくことを心掛けています。


体を冷やさない

冷えは血液の巡りを低下させます。

毛乳頭へ届く栄養も少なくなります。

私は夏でも湯船につかり、

首や肩を冷やさないようにしています。

髪を育てるためには、

頭だけではなく、

体全体の巡りが大切です。


加工食品に頼りすぎない

私はできるだけ、

加工食品。

コンビニのお弁当。

加工された飲み物。

こうしたものを減らすよう心掛けています。

髪を作る細胞は、

今日食べたものから作られるからです。


頭皮に触れるものを大切にする

毎日使うシャンプー。

毎日のホームケア。

毎月のカラー。

積み重ねはとても大きな差になります。

私は、

髪だけではなく、

頭皮を育てることを大切にしています。



最後に

私は美容師として38年間、

髪を見続けてきました。

そして学び続ける中で、

一つ確信したことがあります。

髪は、

体が育てています。

だから私は、

体を元気にすること。

頭皮を元気にすること。

その両方を考えながら、

サロンのメニューも、使用する化粧品も選んでいます。

ハーブだけでもありません。

ヘナだけでもありません。

シャンプーだけでもありません。

私が大切にしているのは、

それぞれの役割を活かしながら、

髪が本来持っている力を引き出すことです。

植物のミネラルで頭皮環境を整えるハーブ。

髪のたんぱく質を補強するヘナ。

毎日のホームケアでアミノ酸を補うシルク。

それぞれには役割があります。

だから私は、

「染める美容」ではなく、

「育てる美容」

を目指しています。

10年後も、

元気で、

ツヤがあり、

自分の髪を好きでいられる。

そんな未来を、一緒に育てていけたらうれしく思います。






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ツヤカミ神戸

住所:兵庫県神戸市中央区加納町4丁目4−11

吉住ビル 201

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